このコーナーはおせりさんがおもしろいなと思った人にインタビューをするコーナーです。
今回インタビューしたのは下北沢で出会った飲み友、はるぽんです。彼女は雑誌の編集者で、自身でも帽子ブランド「pong-pong knit」を手がけているパワフルガール。
いつも陽気で楽しい性格なので、一緒にいると周りの人もつい楽しくなってしまいます。今日はそんなはるぽんにハッピーマインドの由来やお仕事ついて話を伺いました。
はるぽんはなぜ気さくなキャラクターなのか

はるぽんは陽キャな感じがするのですが、なぜこんなにも人にオープンで気さくに接することができるのでしょうか?



過去がね大変でした。



あっそうなんだ。そこを乗り越えて今があるんだね。性格が変わったってこと?



だいぶ変わった!180度変わったくらい。大学時代に結構大きなターニングポイントがあったかな。



ふむ。生きやすくなりましたか?



うん!まじで生きやすくなった!ズバズバ聞いちゃって大丈夫だよ笑。



よかったね。色々ありそうだから聞いていいものかどうか。。ちなみにそれはどんな感じだったの?恋愛系とか?



ううん、家族。話すと、わたしにはお姉ちゃんとお兄ちゃんがいて、お母さんがいて、お父さんは単身赴任でわたしが中学くらいの時から沖縄にいたからお父さんが帰ってくることはなくて。



うんうん。



発端は中学の時。めっちゃいいお母さんだったんだけど、お母さんが急に鬱になっちゃって、自殺行為を何度もしちゃって。でも死にきれなくて何回も入院してたんだよね。
でもわたしはその時バスケ部やってたから、なんだろう、全然構えなくて。で、高校に入ってからもそういうのを繰り返してて…。その時からわたしはこの家族が嫌いだから抜け出したいと。
お兄ちゃんお姉ちゃんもバイトはしてるけどゲームが大好きで、こんな社会人にはなりたくないなと思いながら生きてきた。こんなお母さんになりたくないと思いながら生きてきた。



そんなことが……



ターニングポイントのキーパーソンは大学でバスケサークルに入った時に出会った男の子。その人が出版社のインターンを誘ってくれて、学生の時はいい相棒として一緒に働いていたんだ。



どんな人だったの?



陽キャで楽しい方向に持っていく感じの人で、自分と結構似てるところもあって。その人といたら楽しかったから学部は違ったけど一緒に入れる時間は多かった。
で、大学2年生の時、お母さんが実家の最寄りの何十階建てのビルの上から飛び降りちゃって亡くなって……。



えっ!



そうそう。その時は悲しかったけど、なんとも言えなくて。まぁそうだよね、みたいな。むしろやっと死ねてよかったんじゃないとも思ったけど、せっかく二十歳になったタイミングだから親孝行とか、一緒にお酒を飲んだりしたかったのに、それができなかった悔しさもあった。
でも反面教師というか、こういうお母さんをみてきたからこそ、もっといいお母さんになりたいとか、お母さんよりも長生きしてやる!みたいな気持ちを得れたからよかったけど、もうめっちゃ絶望、基本大学までは死にたいとか、超尖ってたのよ。



えっ、、そうだったの・・?まったく想像がつかない。



全然そんな感じじゃないでしょ笑。
相方の子が自分のことをわかりつつ、リードしてくれたり、もっとこういう風にするとあなたらしさが出るよ、っていい方向に導いてくれて。それでちょっとずつ棘が取れて丸く丸くなったかな。



一緒にいることでいい影響があったんだね。



うん。てかバスケサークルで、初めましてした時に一目惚れしたの笑!



あぁ〜、そういうことか!



ずっと好きで、4年間で3回告白したけど振られて。理由は「俺ゲイだから、女と付き合えない。」と言われて。



えー!



男が好きだから心が女の子寄りというか、一緒にいて居心地もいいし、リーダーシップがあって引っ張ってくれるし、バスケサークルでも楽しく一緒にいれて。
かつインターンでも切磋琢磨して高めあいながら成長できたというのもあり、いろんな面で支えられつつ乗り越えられた。



素敵な人だ。



うん。その時そばにいなかったら絶対今のわたしはいないし、出版社のインターンもその子の紹介で始めたから超でかい存在なんだよね。



なるほど。そこから今の仕事にもつながっているわけなんだね。なんか情報量が多すぎて……!



そう。で、大学でインターンが始まって色んな人にインタビューするわけよ。そこで没頭できて。
人に興味はあったから、いろんな人に「仲良くなろうよ!」と話した時、楽しさを感じたんだ。だから大学時代、1000人くらいには取材したかなぁ。



1000人!どっぷりインターンにハマったんだね。



うん!わたしはこの仕事をしたい!ここで生きたい!という気持ちが大学時代に出来上がって、そのまま就活せずに編集長に面談してそのまま入社したって感じかな。



なるほどねー。知らない人と話すことに抵抗がある人もいるだろうから、適性があったんだね。



それしか仕事にしたくないって思っちゃった!唯一光っているものに見えたから、それを目指して頑張ろうっていう気持ちでした。



なるほど、こうしてオープンなはるぽんが形成されたのか。



自分が心を開かないと向こうも壁を作りがちっていうのが経験としてあるから、ギブアンドテイクじゃないけど「私はこう!おいで!」と、構えた方が向こうもきやすいかなと。
だから「これがわたし」って思って今も話しているよ。



いやぁ、すごいや。ご家族の話とかも言いにくいパーソナルなことだし。でもそれをちゃんと言えるってメンタルがめちゃくちゃ強いなと思う。



強くなったよ〜。



それでいうと自分も精神病を抱えたお父さんがいるんだけど、昔は人に中々言えなかったんだよね。だから、こんなに話せるって本当にすごいと思う。いつもハッピー感漂うはるぽんにそんな過去があったとは。



なんか、ハッピーな人に限って昔につらい思いをしてたっていうの多くない笑?つらい思いをしてきたからこそ今はハッピー!みたいな。強くなった!みたいな。超わかるなって思う。



はるぽんの話聞くだけで映画が5本くらい取れそうな気がする……!



今は怖いものないし、わたしはこういう人だから好きならきてくれていいし、嫌いなら来なくていいし、みたいな。関わりたい人だけおいで!というスタイルでやっております笑。



来るもの拒まず、去るもの追わずスタイルですな。ありがとう、色々話してくれて。



いやぁ、全然!逆にわたしは何者なの?みたいなところに興味を持ってくれたから話したし。



興味あるよ!だって、いろんなことがあったことは知らなかったけど、はるぽんは尋常じゃなくコミュ力が高いから。



そうかぁ笑?



苦手な人とかっているの?



今は全然いないかな。どんとこい!って感じ。



やっぱり!愛の返報性じゃないけど、心をオープンにしてる人には相手も心を開きやすいのかもしれないね。
出版社でのお仕事と手がけている帽子ブランド



それにしても、学生の時からインターンで出版社に入って、そこから7.8年働いているわけだよね、すごいよ。



その人の事が知りたいから聞きたいのよ、わたしは。「あなたを知りたいんですよ。」と取材で追求する感じがすごく好き。だからこの仕事がしたいんだなと。



なるほど〜。ビッグラブですね。



あとはクリエイティブというか、自分が作ることも好きで。わたし実は服も作ってて。



そうなんだ!いつから?はるぽんは帽子を作ってるイメージ。



高1からリメイクブランドのアシスタントをバイトでずっとやってたんだ。



えっそうなんだ!行動力があるね。



好きなブランドがあって、DMしてアトリエに通ってたの。



すごい〜!そうだ!はるぽんにインタビューしたかったのは、帽子のブランドを手がけている話を聞きたいなと思って!



嬉しい!



だって、自分の周りの友達に帽子のブランド作ってますっていう人いないからさ。



まぁそうだよね。



どんな経緯で帽子のブランドを作り始めたの?



洋服を作るアシスタントをしていた時、ミシンで作業してたんだけど、自分が作りたいと思っているものと違う要望をデザイナーが言ってくるわけよ。
絶対にこういう風にした方が可愛いと思うのに、デザイナーの指示に従わないといけなくて。だんだんと自分が作りたいものを作ってみたいという気持ちが強くなっていって、自分がデザイナーになったらもう少し好き勝手できるなと思うようになったの。
でも、自分がやりたい洋服を作るとなったら、多少はアシスタントをしていたブランドと似てしまうだろうと。それが悔しくて。



ほほー。思いが強い!



そうそう。0から1を作る仕事がしてみたくて、自分は何が好きかなと考えた時に、帽子だ!と思って作り始めたのがきっかけかな。
実はリメイクブランドのバイトを始めたのも、小学生の時にお母さんが手提げ袋とか、上履き袋とか、全部凝って自分で作ってくれたのが影響してるんだよね。



そうだったのね。



そこはお母さんのすごくいいところだなと思っていて。そこから受け継がれているというか、自分もいい母になるためにいいものを作れるようになりたいなと思っているよ。



なるほど。
はるぽんの帽子は形も独特で、ほかで見たことがないようなユニークさがあるよね。



ありがとう! 真似事が大っ嫌いなの。



帽子は一個一個自分で作っているの?



そうそう。毎日のルーティーンで仕事から帰ってご飯を食べてから一個は作るんだよね。一個一時間半とかで作れちゃう。ドラマを見たりラジオを聴きながら作っているよ。



ほー。継続は力なりだね。はるぽんは肩書きではなくて、自分軸でやりたいことをやっていて面白いね。
挑戦し続けるはるぽん



今まではるぽんはオープンで楽しい性格っていうイメージが強かったんだけど、今日改めて話を聞いてみて、かっこいい人なんだなぁと思った!初めて知れた部分だよ。



ありがとう!フリー素材なので全部使ってもらってOKだよ笑。秘密はないし、知ってほしいから話すし。



ありがとう泣。話を聞いていると、はるぽんはちゃんと自分で動いているし、その時々で出会うべき人に出会えてる感じもあるね。まじで濃ゆい人生だね。



うんうん。人生の主人公は自分だからね。みんな、もっと主人公やってこうよ〜笑!夏だし!
今年も素直に生きようね。



素直に生きられない人もいるからね。



みんな子どもの頃はまったく知らないところから始まって、ワクワクした人生を送ってきてるわけじゃん。



うん



それが経験を積んで、ある程度慣れちゃうと怖いものが無くなったり、挑戦をしなくなっちゃう。できないよと決めつける人もいるけど、やってから言おうよって思う。
やりたきゃやればいいし、中途半端な人に対しては、じゃあやりたくなかったんじゃん!って思っちゃうな。



自分に正直に行動できるところがすごいね。帽子のブランド作ろうとか、なかなかチャレンジングな試みだよね。



やりたいことをやっているだけだよ。



やりたいことをやっているだけか〜。かっこいい。



やりたいことがない人は見つけるところから始めたらいいんじゃないかな。色んなことを経験した時に、あっこれ楽しい!とか向いてるかも!と感じたことを2回目、3回目とやってみるといいかなって。



なるほど。ブランドを作るなんて、初めてのことが多くて大変だったんじゃない?



初めてのこと、ワクワクするじゃん!誰にも何も言われないし、自分がプロデューサーになれる!好きに生きていいじゃん!みたいな。暴走はとまらねぇぞみたいな笑。



ワイルドだね〜。



始めたらやり続けるよ。継続して発信し続ければ、少しずつでも結果はついてくると思うんだよね。



なるほど。ちなみに今まで帽子は何個くらい作ったと思う?



うーん、200個くらいかなぁ。



わーお!



好きなことでお金を稼ぎたいと思うから。好きなことを仕事にしたら嫌いになるからやらないっていう人いるけど、わたしは好きなことをやればいい派です!



わたしもそう!今後が楽しみだね。



まあでも本業がメインなので、無理せず続けるよ。
今の編集の仕事もお世話になった先輩社員に自分の代にバトンをもらってからここまで事業が大きくなりましたよ、って報告できるようになるまではやめられないからね。



いい会社なんだね。



すごくいい会社だと思う!だから長年いるんだろうし。もし転職するとしたら2社目になるので、今の自由な社風に慣れている分つらいことはあるのかな、と考えてしまいますね。



もし帽子の人気が爆発して、忙しくなったらどうするの?



1日1個しか作らないというルーティーンは崩さず続けていくよ。



なるほどー、幻のブランドになっちゃうね!



ふふふ。
今まで陽気でハッピーなイメージが強かったはるぽんですが、今回話を聞いてみて、色々なことを乗り越えながら自分の頭で考えてやりたいことに向かって突き進む、とてもかっこいい人だなと印象が変わりました。出会ってくれてありがとう。


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