しばしばお伝えしていますが、わたしの父は繊細で怒りが爆発すると誰よりもやばいタイプ。一方母の空気の読めなさはピカイチで、火に油を注ぐ天才です。2人揃って強烈な個性を放つ両親ですが、つい先日もド派手な夫婦喧嘩を繰り広げていました。
喧嘩の理由・原因
夫婦喧嘩の発端はいつだって些細なことです。今回は「犬を飼うか、飼わないか」でした。
ことの始まりは父の妹からの提案です。
父の妹は家でトイプードルとマルチーズの2匹の犬を飼っているのですが、ちょうど付き合いのあるブリーダーさんから新たにトイプードルの赤ちゃんが産まれたと連絡があったそう。
日々スピリチュアルの話と週刊誌のゴシップネタの両輪でマシンガントークをする母に父が疲弊していると言う話を聞き、2人の緩衝材として犬でも飼って見たら?と父に声をかけてみたのです。
これに父は大賛成。事前にわたしにも相談がありましたが、わたしも純粋に犬が好きなのでいいんじゃない?と言いました。
しかし、問題は母です。母は絶対に犬を飼いたくないタイプ。実は犬を飼うか飼わないか論争は2度目なのです。10年ほど前、犬を飼いたい父が柴犬を予約したところ、母の逆鱗にふれ結局犬を飼うという夢は果たせなかったのです。
だから、今回はとても慎重に進めなければなりません。父と父の妹の間で犬プロジェクトが始動しました。なぜかわたしはアドバイザーとしてプロジェクトの進捗を聞く係に。
難航した犬プロジェクト
母は新しくチャレンジすることに苦手意識を持つ一方、物事を受け入れる力は高く愛情深い人です。わたしは最初から「母は自分の意見を曲げるタイプの人間ではないので、どうしても犬を飼いたいのだったら、完全に秘密裏にして犬を連れて帰ってきてしまえばいいのでは」と意見していました。
しかし、勝手に事を進めるのも…という父の判断により、今度犬を見にいこうと母に打診したのだそう。犬を飼いたがっていることを知った母はもちろん猛烈に反対します。
今度は母から電話がかかってきました。
「父と父の妹が勝手に話を進めて犬を飼おうとしている。生き物を飼うということは責任がある。10年くらいの付き合いになるんだから可愛いだけでは飼えない。今の静かな生活のままでいたいのに、どうせ自分に世話を押し付けるんだろう。。」というのが母の言い分です。今までペットを飼ったことがないので不安が大きかったようです。
まぁ言っていることはわかりますが、拒絶反応がすごかったので、そんなに深刻に考えずにもう少し相手に歩み寄ってもいいんじゃないかなと伝えました。
論理的に意見を述べても「みんながわたしの悪口を言うんだ。わたしには味方がいないんだ……」と絶望モードになってしまうので、母に的確なアドバイスは通用しません。
そこで役に立つのがスピリチュアルです。
「ネガティブオーラは出しちゃダメ!怒りや悲しみを捨て、相手を許さないと目覚めることができないよ!ハッピーマインドでいよう♪」というと「そうだよね、ママ今負のオーラ出てるよね……」と、根本的な解決にはなりませんが、少し落ち着くのです。
お互いに折れない中、犬とファーストミート
結局ブリーダーさんへの挨拶には父、母、父の妹の3人で行ったそう。
わたしはそこにいたわけではありませんが、帰りの車内の雰囲気がとても悪かったようで、その後3人からそれぞれに電話がかかってきました……。
車内には犬を飼いたい人が2人、犬を飼いたくない人が1人。母は2人から罵られ、なぜ犬を飼わないんだ!と問い詰められて怖かったと言います。父と父の妹によると、母は終始仏頂面で態度が悪く、何を行っても否定されたと言います。
話を聞くだけでも地獄絵図です。
父の妹は、良かれと思って声をかけたことがこんなにヒートアップしてしまうなんてつらい。これからやってくる犬がかわいそう……と嘆いていました。それはそうですね。
父いわく、母が頑なに毎日犬は飼わないからねと主張し、全然折り合いがつかないとのこと。わたしは、もっと上手くやるべき。愚直に進めるからこうなるんだよと言いました。
母いわく、ママの意見はすべて2人に無視され人権がないんだと感じたそう。モラハラで体も震えるので医者に行ってカウンセリングを受けたと言います。
そこまで嫌なら普通は諦めるところですが、父と父の妹は母が旅行に行っている間に犬を引き取りに行くという強行突破をしました。
犬を飼うか、飼わないか。これに折衷案はありません。
ひとつの事象に対して意見が別れた場合、互いに絶対に一歩も引かずこんなにも自分目線で相手に歩み寄れない夫婦がいるんだ、と驚きました。
迷走した名付け
K-POPにハマっている母はジュノという名前にしたいと「ジュノ!ジュノ!」と始めの方は呼んでいたそうなのですが、犬が完全にスルーしたそうで、結局父の妹が名付けたハナちゃんということで落ち着いたとのこと。
なんだ、普通の名前だな。わたしは心の中でベートーベンというあだ名で呼ぶことにしました。
犬との遭遇。仲直りはできたのか?
こないだは大騒動だったけど、結局その後は大丈夫だったんだろうか。。後日実家に足を運んでみると、そこには目を疑うような光景が。
「おみじゅ飲むのぉー?ちっちはここでやるんだよ〜」と犬を抱き抱えながら猫可愛がりして、あやしている母がいました。えっ?
えっ?? あの拒絶は一体なんだったんだ!?!?!?
数日間でここまで手のひらを返したように考えが変わるなら、最初からみんなにもう少し歩み寄ればよかったじゃないか? と思いましたが、父もそんな過去はなかったかのように犬にデレデレです。率先してトイレの片付けをしたりして、幸せそうです。
父はずっと犬に嫌われる人生でした。犬って何か察知するのでしょうか。なぜかみんな父に吠えるのです。悪霊でもついているんじゃないの、と笑っていましたが、ハナちゃんは父がベットで寝ていると足元に来て一緒に寝るのだそう。
「この子はね、俺しか頼る人がいないんだよ・・」と完全に目尻が下がっています。おじさんがチワワと見つめあっているCM、どうするアイフルのCMを思い出しました。
気づくと、茶色いトイプードルの赤ちゃんが尻尾を降って家の中を走り回っていました。
可愛い。
犬には大人の事情なんて何にもわかりません。そんなことは知らんのよ、とばかりに平等に足元にすり寄ってきて、尻尾をふったり疲れたら膝の上でお昼寝したりします。なんと無邪気なこと!
毛がほわほわであったかい。赤ちゃんだからなのか、全然くさくないです。
そう、我が家にきたわんちゃんは天使だったのです!!あんなに深く入った夫婦間の亀裂をただ「可愛い」というだけで一掃してしまうなんて……!
母はハナちゃんのお世話にかかりっきりでUFOが見えるといった謎のスピの話をしなくなりましたし、父もギスギスせず穏やかな笑顔を見せていました。この家に、ハナちゃんがやってきたことでようやく平和が訪れたのかもしれません。
あんなに揉めていたのに今では喜び勇んで2人で赤ちゃん犬を溺愛しています。
今まで散々なことは色々あったけど、自分が産まれた時もこんな感じで一生懸命面倒を見てくれていたのかな、、と思うとついほろりとしてしまう休日の昼下がりでした。
コメント
コメント一覧 (2件)
初めてコメントさせて頂きます。
30代の名古屋人、お仕事歴はなんだかおせりさんに似ている者です。
コピーライター養成講座について調べていたら、
おせりさんのサイトに辿り着きましたが
本題を忘れて数記事読んでしまいました。
文章・文体、スッと入ってくる力の抜け具合が面白いですね。
高知の旅行記も面白いし、仕事の話も面白いし、
お母さんのスピリチュアル傾倒も面白いです笑。
ブクマしましたので、これからも更新楽しみにしています。
バックナンバーもたくさん読もうっと。
のぞみさん、初めまして。コメントありがとうございます!!
Twitterではよく感想を頂くのですが、実はブログ本体にコメントしていただいたの初めてで、、大変嬉しく思います!!
今飛び跳ねるくらい嬉しいです笑。ブクマもありがとうございます!
日々の徒然なる出来事を書いていますが、
こうして読んでくださった方から直接感想をいただけると
ブログを始めてよかったなぁと心から思います。
コピーライター養成講座の記事、書いてよかったです笑!
記事は今後も更新していければと思いますので、引き続き目を通していただけると嬉しいです。
これからもよろしくお願いします!