この間、新宿のゲームセンターに一人で遊びに行きました。というのも、以前ふらりと立ち寄って10年ぶりくらいにメダルゲームをやってみたところ、ジャックポットを当ててしまい、大量にコインを獲得したのです。
2ヶ月間は無料で引き出せると言うことなので、味を占めて再び足を運びました。独身アラサーの休日は大体こんな感じです。
メダルゲームコーナーへ
時刻は夕方頃でしたが、メダルゲームコーナーはすでに大賑わいで、わたしがやりたかったゲーム機は満席でした。それはコインを落とすというシンプルなゲームで、たまにラッキーチャンスが来ると、メダルやメダルタワーを獲得できるというものです。
しまった、来るのが、遅すぎたか・・。台は全部で4席あるのですが、一度やりだすと長期戦になるのが、このゲーム。射幸心を煽るってやつでしょうか。
待ちがてらゲームセンター内をくるくるお散歩していると、デートで来ている30代後半くらいの男女や小学生の男の子とそのお父さんなど、休日のゲームセンターにはいろんな人がいました。
少し時間が経つと、一台が空いたので、コインを引き出しに行きます。引き出し機の隣にあるスロット台に座っていたおじさんがこちらをガン見してきました。
年は60代くらいで、キャップ帽をかぶっていて競馬場や競艇場にいそうな風貌です。ホームレスとまではいかないものの、清潔感はあまりありません。
あんまり関わらない方がいいかも・・と直感的に思い、そそくさとコインを引き出し、台に座りました。
ガチャガチャとメダルゲームが始まります。・・楽しい。
がんばる少年
隣には少年とお父さんが座っていました。メダルタワーができていて、もうすぐ落ちそうです。メダルタワーを落とそうと、無邪気に少年は頑張っているものの、なかなか落ちません。お父さんが「もう帰ろうよー」と言っています。どうやら結構な時間を費やしたようです。「このタワーを落としてから帰る!」と少年。
がんばれ少年。粘るんだ。そう思いながら、自分もメダルゲームを続けます。
ほどなくして、隣の台にお母さんと思われる女性がきました。「もう行こう!」とお母さんも帰るモードです。メダルタワーは本当にあともうちょっとで落ちそうなのです。「ここまできたから頑張りたいよ!」と切実な少年。それはそうだ。少年の気持ちが痛いほどわかります。
それからそのファミリーは何回かキープチップを引き出し、タワー獲得を目指していたものの、燃え尽きてしまったようで、少年は嫌がりながらも帰って行きました。
ここでわたしに邪念が。。
今、隣の台に移動してメダルタワーを崩せば大量にメダルを獲得できるのでは・・。そんな考えが一瞬頭をよぎりましたが、頑張る少年を思い出すと良心が痛みます。よし。ここはひとつ、次にどんな人が座るのか見てみよう。その人はラッキーな人です。
次に座った人
ファミリーが帰るや否や、すぐに次のプレイヤーがその台に座りました。
なんと、その人はさっきスロット台に座っていたキャップ帽のおじさんだったのです!
も、もしやあのファミリーが帰るのを待っていたのではないだろうか・・。
おじさんは台に座ると、見事な手捌きでメダルを入れます。なんでしょう、もうプロ!って感じでした。ものの数分、多分5分とかからずメダルタワーを獲得し、去って行きました。こうして少年の淡い夢は崩れ去りました。
なんだかなぁ、、と思いつつ、わたしは自分の台で遊びます。ちょうど自分のところにもメダルタワーができました。やったぁ!しかし、やはりタワーはなかなか落ちません。
ふと視線を感じると・・
ここで横から視線を感じふとみてみると、隣の台に50代くらいのおばさんが座っていました。金髪と黒髪が入り混じり、ギャルというか、あまり民度は高くない感じでした。なんか怖いなぁ。
あ、あれ・・?意識して見てみると、そのおばさんはゲーム機に座っているのにその台では遊んでおらず、こちらの台の様子を伺っているようなのです。も、もしかして、わたしが帰るのを待っているのではないか・・!?
たしかに、手持ちのコインが少なくなってきたタイミングでありました。なるほど。
わたしは、ぜったいに帰らない!!
それまでは大量にメダルを投入し、大量に獲得するという、大量生産大量消費的な遊び方をしていましたが、このままだと間も無く手持ちのコインが燃え尽きてしまいそうです。そこで、その視線を感じてからは手持ちのメダルを大切にする超スロープレイ作戦に変更しました。
スロープレイに気づいたのか、おばさんはいつの間にかいなくなっていました。
ふう。このメダルタワーは確実にわたくしが頂きますわ!
わたしは大人! 自分で稼いだお金で好きなだけ遊ぶのよ!
気づいたら没頭していました。いや、気づく前から終始没頭していました。好きなことはとことんハマってしまうタイプなので、気をつけないといけません。
またまた視線を感じると・・
ここで、また視線を感じました。今日はなぜこんなにも視線を感じるのか、わたしの被害妄想ということはないのだろうか、、。ふとその先に目をやると、、あのキャップ帽のおじさんがこちらを見ています。うわぁ・・。
せめてこのメダルタワーは自分で落としたい。。血眼になってプレイします。おじさんは近づいてきます。やっぱりこっちを見ているよね、見ていないのかな・・?うーん!
どんとんおじさんは近づいてきます。うう、怖い。見ないふりをしてゲームを続けました。しかし、最終的におじさんはわたしのところにやってきました。
気まずくなったので会釈をしてみました。すると、おじさんが何か、言っています。
もしゃもしゃ喋るので、なんと言っているのかあまり聞き取れませんでしたが、
「ラッキーチャンスになるにはこのボールを落とした方が早いから課金のタイミングは今じゃなくてもいいと思うよ」どうやらゲームのコツを教えてくれているようです。
なんと・・!
てっきりこの台を狙っているのかと思っていたのですが、そのおじさんはゲームのアドバイスをしてくれたのです。なぜなのかはわかりません。わたしがあまりに熱中していたからでしょうか。
あまりよく聞き取れませんでしたが、そのおじさんはひとしきりゲームのアドバイスをした後、どこかに行ってしまいました。
そして、戻ってくると、おじさんは「これあげるよ」とバケツにはいった大量のコインをわたしにくれたのです。ええ!?
「いや、大丈夫ですよ!」「いいからいいから」となぜかおじさんは少し嬉しそうでした。
迷いましたが、ご厚意をかなとも思い受け取って、お礼に自動販売機でジュースを買って渡しました。
「僕あやしいものじゃないからね、毎日ここにきているんだ」と言って去っていったおじさん。毎日ゲーセンに来て大丈夫なのかなとは思いましたが、怪しいものを見る目でおじさんのことを見てしまったことは反省しようと思いました。
それにしてもゲームをやりすぎてすごく疲れてしまいました。何事もほどほどにですね。
ゲームセンターにはいろんな人がいるんだなと思った休日の夜でした。
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