このコーナーはおせりさんがおもしろいなと思った人にインタビューをするコーナーです。
今回インタビューしたのはIKIRU.にいつもあたたかい感想をくれる近所のお友達、miifuu(ミーフー)さんです。音楽系のお仕事をしているという彼女。ふんわりとした雰囲気とは裏腹にうちなる熱い想いが垣間見えました。
今のお仕事について
今どんなお仕事をしていますか?
アイドルの曲を作る仕事をメインにしています。ライブアイドルと呼ばれる、女の子たちの曲を作ることが多いです。
ふむふむ。実は来る前に曲を聞いてきました。軽快なメロディーと透明感があるアイドルの声がマッチして、聞いているとハッピーになれる曲が多いですね。miifuuさんらしいです。
miifuuさんの作曲リストはこちら
ありがとうございます。もともと7歳から作曲を習っているので、メロディーを作るのが得意なんです。あとは、代表曲がライブで盛り上がる曲なので、私のところにくる依頼は元気が出るような曲のリクエストが多いですね。
7歳から作曲しているんですか!?
はい!小2から中1の6年間、習い事としてヤマハ音楽教室で作曲とピアノを学べるコースに通っていました。
それが職業になるってすごいですね。作曲のきっかけは習い事だったそうですが、miifuuさん的には楽しかったですか?
スパルタだったけど楽しかったです。自分で曲を作るのは楽しいし、それを嫌いとか、辞めたいと思ったことはないかな。
おお、すごい。天職ですね。専門学校には行ったんですか?
行ってないです。あ、でも今思えば、ヤマハの音楽教室が専門学校に行くようなレベルの本格的な内容でした。
今音楽の専門学校で講師の仕事もしているけど、ヤマハで習った内容はほんとに大事だったなぁとつくづく思います。
作曲家になりたいと思ったきっかけ
ふむふむ。作曲を仕事にしようと意識し始めたのはいつですか?
うーん、子どもの頃からです。
当時、父から「作曲コースにも入れたし、大ヒット曲でも出して家でも建ててもらおうかな~」と冗談でよく言われていて笑。
まだ家は建てられていないけど、その頃からそういう仕事もいいな、となんとなく意識していました。
素敵な家族ですね。
あとは小6くらいでドリカムを好きになって、そこから私も音楽の仕事がしたいなと思うようになりました。でも私は吉田美和さんにはなれないなぁと。あのレベルでは歌えないけど、何かしら音楽にか関わる仕事がしたいと思っていました。
どうやってなったか、転機について
なるほどー。作曲家になれる人って少ないのかなと思うんですけど、きっかけは何だったのでしょうか?
そうですね、なれるのはひと握りだと思うので、私はかなり引きが強いタイプだと思います。
大学生の時からバンドを組んで音楽活動をしていたのですが、
解散してからは知り合いの人のサポートとしてピアノを弾いたりしていました。
日々を重ねる中で自分の強みは何かと考えた時、長年続けている作曲だったら一番になれるのではと思ったんです。
ふむふむ。作曲家にはどうやってなったんですか?
音楽業界の慣習としてコンペというものがあるらしいということは耳にしていました。自身で曲を書かない方はいろんな人から曲を集めて一番いい曲を選ぶんです。まずはそれに参加したいなと。
ある時、鍵盤サポートの仕事で行った現場に自分が知っているプロデューサーの方が来ていたので、自分から声をかけに行きました。
変なやつが来たなと思われたと思いますが、「1曲出してよ」とチャンスをもらえることになり、小さなコンペに参加して。そこで曲が決まったんです。
え、すごい!積極的ですね。
意外だねってよく言われます笑。その時に気に入っていただけたようで、次のコンペにも呼ばれるようになって。そこから始まっていますね。
ドラマみたいな展開ですね。
とんでもないです笑。
その後、新しいアイドルが発足する時に満場一致で選ばれた曲があり、自身の代表曲にもなりました。
BiS / nerve の作曲も担当
BiS「nerve」の作曲も担当したんですよね。明るい曲です。
はい! BiSはロックな曲が多いのですが、この曲は歌謡曲よりで、「コールを入れる隙がある!」とファンの方達が盛り上がってくれて。
メンバーたちも気に入ってくれたようで、曲が一人歩きしていろんな人の元に届いたと感じた曲です。
アイドル関係の方からの反響も大きくて、この曲がきっかけで知ってくれてる人が増えました。
有名な曲なので、知っている人も多いのでは?
それにしてもコンペで選ばれるってすごいですよね。倍率が凄そうです。
倍率はコンペによってなんですが、狭き門であることは確かです。
私は作曲を始めたのが7歳と早かったので、この曲が決まるまでにかかっている時間は実は膨大で。小さい時からスパルタで何十曲、何百曲と作っていたので、それがあったからこそ決まった曲だと思います。
ファンの目線とご縁を大切に
自分からチャンスをつかみに行く感じがかっこいいですね。最初からアイドル系を目指していたんですか?
そういうわけではないのですが、もともと私自身がドリカムとaikoのファンなので、自分もファン側としての気持ちが今もあります。なので、ファン同志ライブで盛り上がって一体感を出すというイメージはしやすいです。
ライブでみんなが楽しくなる曲ってどういうのかなっていうのは考えやすいかな。
両者の気持ちがわかるって大切ですね。0から音楽を作るってすごいです。
向いてるんだと思う。生みの苦しみはないですね。音楽は積み上げなので、やらずして上手くならない。自分のためにもなるし、やればやるほどできるようになるものだと思っています。
おお!熱烈!ふんわりした雰囲気なので、こんなにパッションのある人だとは意外です。
ですよね笑。もう一つエピソードを話すと、アニメの「ピンポン」エンディングの編曲を行ったのですが、これはとある飲み会で知り合った方がたまたま関係者の方で。その方からいただいたお仕事なんです。
ええ!すごい!どこから仕事につながるかわからないですね。
自分の足で仕事を取りに行くタイプかもしれません。
今まで作ってきたものやスキルがあるからこそ信頼してもらえるのだと思います。
結構自分からガンガン行っちゃいますね笑。生徒にも自分から動いた方がいいよ、待ってるだけじゃ何も始まらないよと言っています。
講師としても活躍
あっ。専門学校の先生もしているんですよね。学校ではどんなことを教えているんですか?
いくつかのコースを見ています。
シンガーソングライターコースでは作詞作曲、編曲のほか、どういうスタンスで取り組むのかなど、プロデュースに近い形で教えています。バンドボーカルの子達には作詞を教えていて、キーボード専攻の子にはアレンジなども教えています。
ピアノが弾けて、歌も歌えて、作曲もできる、マルチスキルですね。大体1クラス何人くらいいるんですか?
作詞のクラスは全体でやっていて20名弱くらいで、あとは生徒のスキルに応じて個別に教えています。
なるほどー。20人は結構多いですね。教えるというのは使う頭が違いそうです。
いつもやっていることを言語化して伝えるのが先生の仕事ですね。個人的には言語化は向いていると思っています。
確かにmiifuuさんは向いてそうです笑。先生になったきっかけは何だったんですか?
最初は学内オーディションの審査員で呼ばれたのですが、的確なコメントをするねということで講師になる話をいただきました。
なるほどー。次の仕事につながっているところがすごいですね。ちなみに話は戻りますが、ご両親はどんな方だったんですか?
教師です。母が音楽の先生で、父が図工の先生でした。家でも先生なので、厳しく育てられました笑。母の嫁入り道具で家にグランドピアノがあったりと、創作することに対しての環境はいい方だったかなと思います。
そうなんですね。音楽教室に通っていたのも納得です。
先生も両親がやっていたから馴染みがある職業で、なんとなく、いつかは自分もやるかもしれないと思っていました。
今は作曲業と先生業で忙しいかと思いますが、ゆくゆくはどちらに重きをおくつもりなんですか?
今の感じがちょうどいい気がしますが、歳を重ねるにつれて自分のスキルを必要とする下の世代にも残していかないとなと思っていて、それを先生を通してできるというのがいいなと思っています。
素晴らしいですね。いつかmiifuuさんが遠い存在になっちゃたらどうしよう笑
遠い存在になることはないけど、遠い存在だと思われるような大きな仕事はとっていきたいな。
どうやって曲を作るのか
かっこいい〜!それにしても、miifuuさんの曲は聞いててハッピーになれる曲が多いですよね。
ライブで盛り上がる曲とか、アイドルを立ち上げた時の一曲目を頼まれることが多いです。デビュー曲はアイドルの子たちにとっても思い出の曲になるので気合いが入ります。
アイドルの曲って差別化難しくないですか?
そんなことはないです。私らしいメロディーはあるかもしれないけど、歌ってる人たちを想像して作るので。
たとえば、この見た目、この声の子がダンスをするとこんな風になるかなとか、MV撮るならこんな衣装かな、この子は元気なキャラクターなのかな…みたいに。だから同じにはならないかな。
その想像が的確だからこそ、選ばれるのかもしれませんね。
運営さんのところに話を聞きに行ったり、どういう子なのか話を聞いたり、ライブをみに行ったりとヒアリングは重視しています。
あとは本人たちがこういう曲だったら喜ぶかなとか。曲の作り方は人によるとは思うけど、私はかなり想像するタイプです。自分の強みはそこなのかも。
想像力かぁ。クリエイティブなお仕事ですね。
目に見えるものではないけど、聞いてくれる人には届くと思っているから、愛情を込めて丁寧に作っています。いろんな人の記憶に自分の曲があってほしいです。
ライブにも足を運び、作った曲が歌われるのを見に行ったりもします。生でファンの方達の反応が見れますね。
わぁ、広告の仕事は生で生活者の反応を見る機会がなかなかないのでうらやましいです。
やりがいを感じます!ご褒美の時間だ、生きててよかったな、と思います。
世の中には多くの曲がありますが、その曲の数だけたくさんの人の想いがこもっているのだなと思いました。今まで近所の飲み友だったmiifuuさん。今回のインタビューを通して初めて知れた部分も。
ありがとうございました!
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