「なぜ葉っぱの色は変わるの?」紅葉に興味を持った青年ひゅうひゅう氏にインタビュー

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このコーナーはおせりさんがおもしろいなと思った人にインタビューをするコーナーです。今回インタビューしたのは、24歳の大学院生ひゅうひゅう氏です。大学では「植物の色素」について研究しているというひゅうひゅう氏。その背景や将来の展望について、話を伺いました。

今どんなことをしているのですか?

研究者の見習いとして、大学院で植物の色や性質について調べています。

ほー!おもしろそうですね。興味を持ったきっかけと経緯について教えてください。

日本人は葉っぱの色で季節を感じることができますよね。たとえば紅葉は秋だなとか、新緑は初夏、葉が落ちると冬だなといった具合に。実は、これはとてもめずらしいことなんです。

たとえば、東南アジアのジャングルは一年中同じ気候で季節がほとんど変わらなかったり、ヨーロッパではそもそも紅葉する植物がない地域もあります。

僕は小学生の時に、ふと紅葉に興味を持ちました。季節によって、葉の色が変わったり、葉が落ちるのはなぜなのだろうと。(実は紅葉が起こる理由は明らかになっていないんです。)

そこからあたりを見回してみると、植物にはいろんな色があることに気づきました。この色について、もっと知りたいと思ったのが、きっかけです。

子どもの頃から植物が好きで、高校の頃から環境学や農学系の進路を意識し始め、大学からは実際に植物の色の分野を専攻、研究することになりました。

なるほどー。普段、植物の色なんて普段全然意識することがありません。大学ではどういったことを研究しているのでしょうか?

そうですねー。そもそも、植物の色素は、植物が陸に上がるために手に入れたものなんです。

ん?植物は元々海にいたということですか?

そうです。何億年も前の話になりますが、当時は今よりも紫外線がかなりきつかったので、植物がそのまま陸に上がると細胞が壊れてしまいます。そこで植物が自分を守るために色素をつくり始めたと言われています。

へぇ〜!

僕が今テーマにしているのは、高山植物の色素についてです。高山は、紫外線が強かったり、すごく寒かったりと厳しい環境です。

こうした厳しい環境下で育つ植物ですが、中には環境の変化に弱く絶滅の危機にある植物もあります。

絶滅寸前の希少な植物を今のうちに研究し、体を守る成分を工夫することで保護したいですし、地球温暖化などの今後直面するかもしれない危機に備えた仕組みを導入することで、環境保全に役立てたいとも思っています。

かっこいい〜。高山植物の研究はどういったことに活かせるのでしょうか?

そうですねー。まず、地球上には植物が生きていく上で有害な金属があります。

有害な金属・・!?

たとえば、発展途上国ではきちんとしたゴミ処理がなされずに、有害物質が垂れ流し状態になってしまっていたりと、重金属汚染が問題になっています。地面に有害な金属が溜まると死の土地になってしまう。

しかしそんな厳しい環境下の中でも育つ、強い植物がいます。こういう植物は実は高山にもいるのです。

えっ、高山に金属があるってこと?

はい。一部の高山では植物が育つのには向いていない金属を含んだ岩で覆われている場所があります。こんな厳しい環境でも植物は育つことができるんです。ほかにも金属はいろんなところにあって、たとえばアジサイは土壌の中の金属イオンを吸収して色が変わったりします。

植物が生きるのに向かない環境である高山に生息している植物のメカニズムを研究・改良することができれば、外国でも活かすことができ、社会貢献につながります。ちなみに、植物を用いて土壌や水などから汚染物質を除去する技術のことをファイトレメディエーションと言います。

守るメリットがあることがわかればみんなも興味を持ってくれますよね。

なるほど、大変意義のある研究であることがわかりました。ひゅうひゅう氏は将来どんな道に進むのでしょうか?

3つの方向があります。
ひとつは企業研究者として、企業に属して研究すること。

二つ目は国や大学の研究者として、自分の興味のある分野で研究すること。キュレーターと言われる博物館の学芸員などもこれにあたります。

あとは、農業をしている友人を手伝うという選択肢もあります笑。

なるほどー。ちなみにどれが一番なりたいんですか?

どれも一長一短なんですよね。企業研究者は収入や雇用、社会保障といった面で安定していますが、研究内容はあくまでも企業の利益を得るためのものになります。

一方で国や大学の研究者は自分の関心のある分野を調べられるというメリットはありますが、非正規の契約社員の雇用が多く、定職に着くのが難しいと言われています。

それに、研究するジャンルによっても倍率は変わるのですが、僕が聞いた話だと、とある大学の先生の募集が100倍以上の倍率だったそうで、、かなり狭き門なのです。

ぎょえー!めちゃ厳しいですね・・!

そうなんです。アカデミックの世界は人間関係がせまく、独特だったりもします。

友人の手伝いというのは・・?

僕はジャグリングが趣味なのですが、その大会で出会った友人が脱サラして農家になったんです。今はいちごやブロッコリー、しいたけを栽培していて、いちごを交配して色味を改良するのは僕のちょっとした夢でもあります。

若いのにしっかりしてますねー。研究は忙しいですか?

忙しいですね。博士課程になると、自分で研究費を稼がなくてはいけません。研究費の申請に1件につき1万文字ほどの文章を提出するのですが、それを複数抱えているので大変です。

なんと・・!最近の大学生ってプライベートではどんなことが趣味なんですか?

ジャグリングも好きですし、小説を書いたり、お芝居などもします。

おおー!表現者ですね。

そうですね、普段の研究では数値とデータで表現しているので、趣味においては自分の中から湧き上がるものを表現しています。

運転中にアイデアがひらめくこともあるという若き研究者ひゅうひゅう氏。植物の色や高山植物についてという、普段あまり意識することのない分野の話でしたが、話を伺うと、その深さに魅了された時間でした。

今後の活躍に乞うご期待です!

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